アメリカがビッグ過ぎる件

2位でも最低5,000万円

では最後に、米国の賞金事情について少し話をしていこう。やはり気になるのは、何と言っても賞金の支給額はゴルフを愛する人々全ての興味関心の対象だ。何をするにしてもこれだけ稼いでいると、試合で華々しい活躍を見せている姿が多くの少年少女達に憧れを抱かせて選手への道を切り開かせる。タイガー・ウッズという存在を子供の頃はただ知っているだけで具体的に何をどのように凄いのかと言われても分からなかったが、今になって考察してみるとただただ圧倒的な存在感とそれに見合うだけの実力でそれまでの歴史を塗り替えただけではないと、そんな偉大さが見えてくる。

かつて米国のゴルフにおける賞金支給について言えば日本と大差ない、時期によっては日本よりも支給額が下だった頃と考えれば、米国で活動している選手たちは多くがまさにアメリカンドリームを獲得している事実と成功例がそこかしこに溢れかえっている。もちろん誰でも掴めるものではないにしても、夢を持たせること、夢にまい進するために新たな人材を育成できる機会とチャンスを与える、そういう視点から見ればようやく長い黎明期から開けた瞬間だと、タイガーという存在がそれだけ大きな歴史的転換をもたらしたと、筆者はそう分析する。

そんな米国における現在の賞金事情を少し見ていこう。

日本と配分は似ているが、額が違う

まず最初にどのくらいの賞金が支給されるのかというと、1位になれば賞金は『18%』支給される。日本と比べれば多少なりとも低く感じるが、比率ではなく実際に支給される金額が日本よりも圧倒的に多く、下手をすれば100倍近い差が出るときもある。米国では1位の賞金が軽く日本円で1億円に達することも有り、日本人プレイヤーの年間総出場による賞金王ランキングと同等クラスの額を稼げるというのだ。

そこも凄いのだが、例え2位になったとしてもその額はやはり日本とは比べ物にならない、こちらも日本円で換算すると本当に何を疑問に思うことなく、5,000万円以上になるのが当たり前だというのだ最早常識というルールに当てはめてもいいと、そんな風に言い切ってしまう辺りが凄い。こうした事情を考えると、日本のプロゴルファーもいずれは海外で、なんて考えたくもなるのは無理もない。ただそれ以上に完全な実力主義で、何をするわけでもなく淡々と上を目指せるほど簡単ではない。一歩ずつ地味と感じるときもあるかも知れないが、押し進んでいかなければまともに米国のトーナメントで賞金王争奪戦に参加することも敵わない。

一時期の陰りも感じないほど

そんな米国のゴルフにおいて危機的状況ともいうべき瞬間だったのが、リーマン・ショックだ。この甚大な経済破綻をも招きかねない事態ではさすがに米国の賞金事情も陰りを、男女ともに見せ始めるかと危惧されたが、2009年こそ大幅に下落したがその後は順調に回復的成長を繰り返しているため、今のところ安心という言葉を使用してもいい状況だ。

米国の女性ゴルフ業界の場合

米国でも男性だけでなく、女性のゴルファーが注目をあびることがある。では賞金王という側面ではどうかというと、たしかに男性と比べたら開催されている試合数はそれほど多くはないが、現在では賞金総額も日本の女性ゴルファー界と比べたら約2倍の規模で広がっているという。そう言われるとまだまだという見向きもあるが、それにはいまだに男性ゴルフと比較すると顕著なほど高い人気を獲得しているとはいえない状況が長年継続しているという事実が浮かび上がってくる。

そのような事態を引き起こしている原因には、米国女性ゴルファー界の中でスター選手の不在や景気の低迷といった、あらゆる側面が関係している。また女性の世界ランキングでも軽く紹介したが、米国人並びに英国人といった人々ではなく、米国の女性ゴルファー界でもアジア系の人々が中心的に活躍しているため、米国人からすれば馴染みのない人々が活躍しても興味関心は薄い。何だかんだで人種に関して寛容といった見向きも見られることもあるが、やはり米国人からすれば自国の人間が活躍することを一番望ましく思っている。

そういう意味では米国の女性ゴルファー界も日本と同様、問題が山積みとなっていると言わざるをえない。

ゴルファーと世界ランク、そして実力