世界で見るゴルフ賞金事情

日本と世界の賞金

先述にも話したが、1980年代頃の米国ゴルフ界の賞金事情がとても低くかった事実についてココで改めて取り上げてみよう。度々夢見ている人もいるだろう、アメリカンドリームといった言葉を信じて単身アメリカに渡った結果、サクセスストーリーを歩めたという話を耳にすることがある。今でこそ才能もそうだが、努力によってそうした地位が築けるのであれば日本人選手でも十分米国で活躍出来るだけの実力を発揮することは可能だ。ただそれが30年ほど前だと賞金事情も異なっており、年間で総額50万ドル以上100万ドル以下という額ではどこか違うだろうと言わざるをえない。

それに対して当時の日本におけるゴルフ界ではどれくらいの賞金が支給されていたのかというのも気になるところ、そこで簡単に比較して見るために1985年の米国と日本で最も稼いだ賞金金額を日本円換算した結果を見てみよう。

  • 1985年米国最高賞金総額:約1億3,000万円
  • 1985年日本最高賞金総額:約1億円

比較すると分かるように、この年だけでも日本の賞金金額と僅差の差でしか無いという事実がよく分かる構図だ。単純に米国でスポーツとしてまだまだ認知されていなかったというのもあるだろう。人口的な側面もそうだが、スポンサーが見つからなかったからこその料金だったという部分も関係しているだろう。人気スポーツとして多くのプレイヤーが現在でも誕生している現在と、まだまだ発展途上だった業界で何とか普及させようとする米国の切実な事情が垣間見れる瞬間だ。スポーツで大成して大金持ちになると言っても、そうした願いが叶えられるのは真に国民的スポーツとして認知されているものでしか不可能だったと、そう現実が突きつけているようだ。

賞金は世間の流れにも左右される

スポンサーが賞金を提供するといっても、それはやはり最低限スポンサーになれるだけの資本がなければできない。賞金もそうした企業が提供するものとなっているため、スポンサーが付かなければ賞金も発生しない。また単純に世間的な景気に左右されることもある。一番の代表例としては日本も相当な混乱を招いた『リーマン・ショック』が一番大きい。これによってゴルフトーナメントも影響を受けることは不可避となり、賞金が頭打ちになっているしまったという過去があるくらいだ。

男性は賞金が既に確定しているためそれほど困らないが、女性に関して言うならまともに賞金が支給されるかどうかも危うかったという。日本ではそうした影響もあったが、米国ではそれでも賞金の支給額は減ったという風に感じられる時もあったが、それも翌年には元通りに回復している。

日本ゴルフ界の問題

米国についてはタイガー・ウッズというプレイヤーが登場してから飛躍的に賞金額が上昇しているのに対して、日本のゴルフ界といえば賞金という側面からすれば2009年に石川 遼選手が賞金王という称号を獲得したのも記憶に新しいが、それから先については賞金という面で世界的に見ればかつてはそれほど差が生まれていなかったはずが、今となっては同しようもないほど大きな壁となりつつあるという事実を、どう受け止めるかだ。

その一方でやや蔑ろにされている感がある日本女性ゴルフ界に関して言えば、昨今では人気も底上げされている影響もあって支給される賞金についても微弱ながら増えている。このままいけば男性と女性双方における賞金の差異が殆ど無くなりつつあると、そうも考えられている。

人気の象徴があってこその存在

多額の賞金を支給されるためには、やはり観衆という存在を集められる人気の象徴が必要となる。そういう意味では1996年のタイガー・ウッズがプロゴルファーとして転向したことは、米国のゴルフ界に衝撃を与え、同時に多くの人々の関心を集めることに成功した。結果、タイガー・ウッズの活躍とそれに伴っての賞金額でも話題を振りまくこととなり、それからというものゴルフ発祥の地とも言われているヨーロッパ地方の選手たちに負けないスタープレイヤーを何人も輩出するといった後世の誕生にも貢献した。

そういう点を考えれば日本のゴルフ選手にはそういったカリスマ性を感じさせるような、業界そのものを牽引するほど存在が誕生したとは流石に言えない。石川 遼選手にしても、松山 英樹選手にしても、まだこれから先があると見定めた選手たちはどこかアイドル的な扱われ方をされてしまう。今後日本のゴルフ業界、特に男性ゴルフの人気が低迷しているという問題を解消するためには、そうした後にも先にも強い影響を残せるだけの人材が登場すればかつて無い隆盛を、日本のゴルフ界も盛り上がりを見せるかもしれない。

ゴルファーと世界ランク、そして実力